社会的背景
医学の発展は、疾病を患った多くの患者と医療者との間で得られた長年の貴重な知見の蓄積の上に進歩してきたものであり、今後も、さまざまな関連する知識を共有することで、飛躍的な進歩が期待されており、その重要なカギの一翼を担っているのは、情報共有であると考えます。
さらに、医療、介護情報のサービス提供者間での情報の共有化が、国民の健康維持、疾病管理に有効であり、これまで国が推進してきた「どこでもMY病院構想」、「シームレスな地域連携医療」、「地域医療再生基金事業」、「スマートプラチナ社会」、「クラウド型EHR」などを実現することが、患者、医療者、双方に大きなメリットになります。
患者は、ケアを担当する医療者に、過去のこと、現在のことを正確に伝え、より安全にサービスを受けることで、安心感がえられます。 一方、医療者は、ITの活用により正確な情報をタイムリーに簡単に入手することで、適確なサービスを提供できるようになります。 そのようなITを有効に活用した環境の実現により、そうでない場合の無駄な作業プロセス（二重の検査など）のコストを削減することが期待されます。 また、医療事故（多重の薬の投与の副作用など）の防止など、医療安全の面からも、その実現が求められています。
高齢化社会にともなう医療資源の不足などの問題を解決するために、グローバル標準技術を用いて、多職種、多支援者間で、クラウド環境を利用したEHR、PHRの普及が望まれています。
その実現により得られる医療・介護・福祉情報の利用に関して、
①エビデンスに基づく医療
②医療・介護サービスの安全・安心
③医療・介護サービスの質の改善
④ムダなコストの削減
⑤行政サービスへのフィードバック
などの活用が期待されています。
